ばんどう紅茶園
兄弟2人で紅茶の製造から販売まで行っています。応援してください。
気になる新聞記事
毎日新聞に気になる記事が掲載されていたので、紹介します。

ピロリ菌 胃がんの「主犯」、悪性度強く日本人に多い胃がん。
その主犯がヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)だということが研究でほぼ分かってきた。ピロリ菌が胃がんを引き起こすメカニズムも解明され、日本人の胃にいるピロリ菌は欧米人に比べて、胃がんを引き起こす力が強いことも明らかになってきた。ピロリ菌の最新情報をお届けする。

 日本のがんによる死亡者は約32万人(06年)。そのうち約5万人が胃がんで死亡している。人口10万人あたりの胃がん発生率は約60人だが、欧米では約5〜6人と日本の10分の1程度。中国など東南アジアの発生率は日本と欧米の中間くらいだ。
なぜ、日本で胃がんが多いのか。ピロリ菌が胃がんを引き起こすメカニズムを解明し、昨年、科学誌「ネイチャー」に発表した畠山昌則・北海道大学教授(分子腫瘍(しゅよう)学)は「日本人の胃にいるピロリ菌は、欧米とは型がやや異なり、悪性度が強い」と話す。

 特徴的なのは、体の表面に4型分泌装置というトゲトゲの注射針を持っていることだ。このトゲトゲの針を胃の粘膜の上皮細胞に刺し込み、CagA(キャグエー)というたんぱく質を注入する。胃の細胞に侵入したCagAは「PAR1」と「SHP−2」という酵素と結合する。すると、きれいに並んでいた上皮細胞がばらばらになる。これがピロリ菌が胃炎や胃潰瘍(かいよう)を引き起こすメカニズムだ。ばらばらになった上皮細胞はがん化しやすいことも分かってきた。

 畠山教授によると、同じピロリ菌でも、日本人のピロリ菌は欧米人のピロリ菌に比べて、「SHP−2」との結合力が強いため、がんを起こす力がより強いという。

 ピロリ菌と胃がんの関係については8年前、国立国際医療センターの上村直実氏らが医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」に興味深い研究結果を発表している。ピロリ菌に感染した1246人と感染していない280人を8年間追跡した結果、感染者では約3%に胃がんが発生したのに対し、非感染者ではゼロだった。

 こうした過去の研究報告や自らの実験から、畠山教授は「日本人の胃がんの真の原因はピロリ菌だという認識をもつ必要がある。胃がんは、細菌が引き起こす感染症の一種と考えてもよい」と述べる。

 遺伝性のスキルス胃がんなど一部の胃がんを除き、日本人の胃がんはほぼすべてがピロリ菌によって引き起こされるというのが畠山教授の考えだ。

 現在、日本の約6000万人がピロリ菌に感染している。50歳以上では約7割が感染者だ。

 ピロリ菌をもっていると、1000人のうち、年間1〜3人が胃がんになるが、除菌すると発生率は約10分の1になる。ピロリ菌を減らす方法としては、抗生物質の使用とプロバイオティクス(善玉の腸内細菌を増やして細菌バランスを整える微生物)の活用などがある

 一般に子どものピロリ菌感染は5歳ごろまでに起きる。親が口でかんだものを離乳食として与えるときに感染しやすいからだ。日本での感染率は若い世代で低く、10〜20代の感染率は十数%という。若い人ほど除菌による胃がん防止効果は高い。

 抗生物質を使った除菌治療は病院で行うが、胃潰瘍と十二指腸潰瘍の人以外は健康保険が適用されないため、費用は約2万円かかる。畠山教授は「胃がんになってから高額な費用を負担するよりは、事前に除菌した方が費用対効果は高い」と除菌を勧める。

 ただ、抗生物質でも除菌の成功率は約7〜8割と100%ではない。古賀教授は「若い時期は、抗生物質かプロバイオティクスの併用、乳幼児期はプロバイオティクスで対応するのがよいのでは」と話している

毎日新聞7月26日の記事より。